トップ > 中国での重要な色「黄色」
中国での重要な色「黄色」
中国の色をイメージしてと言われると、まずはすぐに「赤色」が頭に
浮かびます。中国の国旗の色、それに建物のいろんな部分(玄関、門、
寺社的な所など)に多く赤が使われており、めでたい色と言われている
からです。
(今回はコーヒーブレークです!)
そしてもう一つの色、「黄色」。日本だとさしずめ「ピンク色」に当た
る色です。
「黄 huáng」は皇帝の「皇 huáng」と発音が同じなので、古来、中国
では高級なロイヤルカラーとして大事にされてきました。
北京の故宮博物館へ行ったなら、宮殿の建物はどこもロイヤルカラーで
ある黄色の瓦が、幾重にも続いているのを見ることができます。
中国文明をはぐくんできた偉大な大河である「黄河」。また、中原に
どこまでも広がる「黄土」高原。このように、黄色は中国を象徴する
もう一つの重要なカラーなんですね。
また、中国の人々は黄色に対して、枯れ落ちる落ち葉も連想してきたよ
うです。「黄」を動詞で使うと、「亲事黄了(縁談はだめになった)」
のように「縁談や商売など、うまくいくはずのものが壊れてしまった」
という意味で使われています。
かつての華やかな宮廷生活は、やがて訪れる王朝の退廃と常に表裏一体
のものだったようです。中国の歴史はそのことを伝えていますが、人々
はこうしたことをよく知った上で、黄色に対して「壊れる」という意味
を持たせてきたのでした。
現在では「黄色文学」といえば「ポルノ文学」を指し、「黄色电影」と
いえば、「ポルノ映画」を意味します。壊れて堕落したもの、それは
人間を滅ぼす(?)エロチックなもの・・「黄色」。
このような考え方が広がったためと思いますが、現在では「黄色」とい
う単語だけで、煽情的で猥褻な意味を表すところまで、発展してしまっ
たのでした。
日本人がピンク・・と聞いてイメージするのと同じような感覚ですね!
a:10098 t:6 y:1