中華料理の四大料理に救われた中国滞在
今から10年以上前の中国滞在当時は、住んでいるところのすべてが古くて楽しめるものの少ない、長く滞在しているのが辛くなるような時代でした。
そうした中で唯一の楽しみは、お酒を飲むことと食べること。そして、友だちを作ってコミュニケーションすることでした。
その中で食べることは特に大事な部分で、憂鬱と思っていた中国滞在を楽しいものに変えてくれる、大きな要素の一つだったと思います。
食いしん坊でおいしいものには目が無い方だったので、食べたことのないおいしい料理を楽しむことができることは、辛い長期滞在をより楽しいものに変えてくれたのでした。
さすが中国は国土面積No1、多くの種類の料理があります。それもまったく毛色の違う料理が。
食べる人の環境や文化、食材などが大きく違っているので、地方によってはまったく種類が違うと思ってしまうような料理が、数多く存在するのです。
自分の発想ではとても考えられないような料理も多く、まさに大中国ならではの多様性が、料理には大きく反映しているのです。
中華料理の四大料理とは
ところで中国には、4つの代表料理があるというのをご存知でしょうか?
日本で「中華料理の四大料理」と言えば、一般に
「北京料理」「上海料理」「広東料理」「四川料理」
とされています。
しかし中国では、少し違っているんですね。
中国での四大料理と言えば、
「広東料理」「山東料理」「四川料理」「江蘇料理」
の4つになるのです。
以前も書いたことがありますが、特徴をまとめると次のようになります。
1)広東料理(南側)
「食は広州に在り」 と言われるように、食材や調理法が豊富。新鮮な魚介など幅広い食材を用いて作られるため、日本人にもなじみやすい料理。〈広東省〉
2)山東料理(東側海岸よりの北側)
山東系の料理。小麦が原料のものや獣肉がメニューの主体で、味付けは濃く脂っぽい。〈山東省〉
3)四川料理(だいたい真ん中のあたり)
香辛料が効いた麻婆豆腐、海老チリ、火鍋などの濃厚な味が特徴。日本では辛い料理と言われていますが、実は辛い料理は全体の半分弱。高級料理はそれほど辛くありません。〈四川省〉
4)江蘇料理(東側海岸よりの中央部)
甘味が強いのが特徴で、食材的には羊、豚、魚介が多い。八宝菜や豚の角煮のようなトンポーローなどが有名。上海料理などもこの系統に分類される。〈江蘇省〉
中国八大料理(中国四大料理も含む)
中国四大料理が有名ですが、さらに八大料理となると四大料理に加えて「福建料理」「浙江料理」「湖南料理」「安徽料理」が入って、中国八大料理(八大地方菜)と称されています。
十大料理となると、さらに「北京料理」と「上海料理」が加わるという形になっています。
“中国料理”と“中華料理”の違い
前の項では最初に“中華料理”と書き、そのあと“中国料理”と書きました。この2つの違いをご存じでしょうか。
日本では、“中華料理”という呼び名がすっかり定着していますが、実は“中国料理”とは少し違うのですね。
“中華料理”は、日本人向けにアレンジされた中国料理のことを言います。チャーハンやラーメン、焼き餃子などがその例で、価格もかなり安くなっているものが多いです。
一方、“中国料理”は中国で食べられている本格的な料理を指します。
中国料理店では、腕の良い本場のシェフを雇っているところが多く、中華料理に比べて値段が高い店が多いです。ですが料理は本格的なものとなっていて、舌と胃袋を十分に満足させることができるんですよね!
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